徒歩4分の駅近、好立地の狭小地
土地の情報を仲間からもらい、20坪と30坪の向かい合う土地2箇所。狭小地でしたが徒歩4分の駅近と好立地でした。近隣の状況はマンションと2~3階建ての住居が建ち並び前面道路は私道という状況でした。駅近ですが、周りの状況をみて店舗ではなく居住用資産の共同住宅として、すぐにプランに落とし込みました。狭小地という難題は予想されましたが、諦めない気持ちでスタートいたしました。
問題は山積みだが「ここに住みたい!」と思わせたい
黄色い建物「PodioDue」は容積率300%建ぺい率 80% セットバックし、3階建ても法規上可能だが、狭小地のためセットバックもできず、2階建て+ロフトの居室4戸の建物で考えましたが、決して広い訳でもないので問題は山積みでした。例えば、建物全体の中で大きく占める階段も一段一段の高さを数センチ単位で設計。居室も狭いと感じさせないよう空間の広がりを重視。ロフトの定義を変え、ハシゴを使って上がるロフトではなく、階段にし普段使いしやすいようにしました。トイレもタンクが付いているものですと場所をとるためタンクレストイレに。洗面も圧迫感が出ないよう通常の物とは違うデザイン性の高いものに。棚なども入居者が別で購入したものを置くと部屋が狭くなるので必要箇所に造作で棚を設置しました。
見えない部分「生活音」にも配慮
暮らしやすさは目に見えない部分にも、音の問題は共同住宅において入居率の低下につながります。隣の部屋から声や音楽が筒抜け、上階の人の足音がうるさく寝れないなどトラブルの元になります。木造だとしょうがないと思いがちですが、床には振動を抑える建材、お風呂の流れる水音も配管に音を軽減する建材を使用。もちろん、壁も静音設計。実際の建物で音がどれくらい聞こえるかの実験も行いました。下記のQRコードから実験動画もぜひご覧ください。外観は塗り壁にしました。地震大国である日本で、タイルは剥がれ落ちる危険があり重量が重くなるので、軽量の塗り壁にしました。外観の色は青と黄色。青は誠実さ。黄色は幸せを意識した目を引く外観。居室のデザインはジェンダーレスなカラーコーディネート。柄や造作デザインで万人受けを狙いつつも視覚でときめくデザインを意識しました。「ここに住みたい!」と思えるデザイン共同住宅ができました。
「木造建て共同住宅」減価償却で
減価償却を考え、木造建ての共同住宅で進めることに。減価償却は、資産価値が経年することで目減りしていくという考えに基づいて設定されているものです。木造は22年。重量鉄骨は34年。鉄筋コンクリート造47年。減価償却期間が短いほうが短期間で多くの費用を計上できる分、集中的に節税ができキャッシュフロー経営が可能に。
いかに空室を出さないか 選ばれる共同住宅
共同住宅の運営はビジネス。12ヶ月間いかに空室を出さないかを考える。
メーカーさんの画一した普通の建物では将来的に埋もれ、短いスパンで居室のリニューアルが必要になってきます。満室保証もありますが、その分のお金は掛かる、そのお金をデザインやアイデアや人に未来投資する。ターゲットの20~30代前半、ミレニアル世代とZ世代の方たちの自分たちにどういう未来が待っているか、「住んだらモテそう」などワクワクする気持ちが持てるかが重要と考えます。賃料が高くても選ばれる。空室になっても、すぐに次の入居者が決まるデザイン性の高いアイデア満載の魅力ある共同住宅は、若い世代の方たちに受け入れられた証拠なのではないでしょうか。受け継いだ財産を次世代に繋ぐ1つの方法としてデザイン特許も取った「podio」シリーズが誕生しました。