先祖代々営んできた畑の土地を相続し、その土地をどう活用するか思案していらっしゃいました。ご縁あってご相談をいただきました。地主様の先祖から受け継いだ大切な土地を守らなければという想いと、周囲の人々の役に立ってほしいという願いから検討が始まりました。
地域の人々に役立つ土地活用とは何かを考え、まず地図上に医療機関や商店などをプロット(点を打つなど)を行い、視覚的に「見える化」し、土地の特性を見てみました。近くには小学校と消防署があり、目の前の通りは大通りです。どのようなお店があるか詳細に把握し、近隣住民の皆さんにとって役立つ場所となるにはどうしたら良いか、利便性を考えながら、何が最適か話し合いを続けました。
災害時には救援物資供給できるドラッグストア
カフェなども候補に挙がりましたが、最終的に、早朝から夜まで営業し、医薬品に加えて食品や日用品、化粧品など豊富な品揃えでまとめ買いができる利便性や、薬剤師に相談できる安心感があることから、ドラッグストアが幅広い世代にとって使いやすいとの結論に至りました。ドラッグストアは広い敷地やロードサイド立地を好むため、郊外や住宅賃貸に適さない土地でも活用しやすく、テナントとして賃貸契約を結ぶことで空室リスクや管理の手間も比較的少なく抑えられます。
ドラッグストア「クリエイト」の営業部長Mさんにご相談したところ、消防署と協定を結び、災害時には食料品などの救援物資供給にご協力いただけることになりました。地域発展を大切にするクリエイトさんの社風はとても良く、打ち合わせの度に働く社員の笑顔が印象的でした。

公園の土地を寄付。消火栓も設置。
さらに、土地の一部を町田市に寄付し、小学生が遊べる公園を整備しました。公園の地下には防火水槽を設置し、消火栓を備えることで、災害時にも役立つ施設となっています。消防署の24時間体制や、遠方で買い物が難しいご高齢の方など、多くの方にとって便利なドラッグストアとなりました。
こうした時間をかけた取り組みが地域に永く愛される場所となり、地主様の土地の価値向上に繋がると考えています。